おもしろ関連トピック
トピック一覧にもどる- 2020.01.15
- 運動時の水分補給は何に気をつける!?
体の大半は『水分』で構成されており、血液やリンパ液、汗や尿などの体液と関わっています。これらの体液は、栄養素や酸素を全身に運搬したり、老廃物を除去したり、体温を調節するなど、体内環境を一定の安定した状態に保つ重要な役割を担っています[恒常性・ホメオスタシス]。
運動により体温が上昇すると、体熱を放散させて体温を下げるために汗をかきます。汗をかくと、『水分』とともにナトリウムやカリウムなどの塩分も失われ、充分な『水分補給』をしないと筋肉がけいれんを起こしたりする場合も生じます。
その際に、水やお茶で『水分補給』をしてしまうと、体液を薄め体はそれを元に戻そうとさらに『水分』を体外に出そうとしたり[脱水症状]、喉の渇きを止めて『水分補給』しないようになります[熱を体内に閉じ込める=熱中症]。
したがって、運動時の『水分補給』には、適度な塩分や糖分が含まれている飲料を摂ることがお勧めです。また、「喉が渇いた」と思った時にはすでに脱水症状が進んでいるため、喉が渇く前からこまめに『水分補給』をすることが大切です。
運動強度や持続時間などによって摂るべき水分量は異なりますが、運動前・運動中・運動後には必ず『水分補給』を行うようにしましょう。特に運動中は15分おきを目安にこまめな『水分補給』をすることがとても大切です。
- 2019.12.16
- 寝る子は育つ!?
脳や体の発達には『成長ホルモン』が必要不可欠であり、『睡眠』と相互に関係しています。
『成長ホルモン』の分泌量は就寝後1時間くらいでピークを迎え、睡眠時間の経過とともに少しずつ減少していきます。
また、睡眠には“浅い眠り[『レム睡眠』]”と“深い眠り[『ノンレム睡眠』]”があり、眠り始めから3時間くらいまでの“深い眠り[『ノンレム睡眠』]”のタイミングで、多くの『成長ホルモン』が分泌されます。
したがって、この時間帯に眠りが浅い状態だと『成長ホルモン』が充分に分泌されないことになってしまいます。
また、夜遅くまで起きていて就寝時刻が遅くなると『成長ホルモン』の分泌量自体が減少するとも言われています。
質の良い睡眠を確保するためには、寝る前にお風呂に入って体を温めておいたり(人は体温が下がるタイミングで眠くなる)、寝る2時間前までには夕食を済ませておくことなどを心がけましょう。
脳や体の発達のためにも、子どもの頃から規則正しい睡眠リズムの習慣を身につけておくことはとても大切です。
- 2019.11.15
- 朝食の大切さ
「朝食を抜くのはよくない」ということはよく言われますが、どうしてよくないのでしょう?
人の体は、朝になり目が覚めると『体温』の上昇が始まり、夕方にピークを迎えて、夜になると『体温』が下がり始め眠りにつく、という周期的なパターンを繰り返しています(『恒常性』『概日リズム』)。しかし、朝食を食べないと『体温』が上がりきらず、脳や体が充分な活動状態に至りません。
また、お米やパンなどの『炭水化物』や『果物』を食べることによって、脳や体の『エネルギー源』となる『ブドウ糖』が作られますが、朝食などを抜いて食べずにいると『エネルギー不足』となり、集中力や思考力が充分に働かない状態となってしまいます。
その他にも、朝食を抜いて空腹状態が長時間に渡り続いてしまうと太りやすくなったり、将来的に脳出血や糖尿病といった生活習慣病のリスクが高くなってしまうとも言われています。
体を元気に健全に保つためにも、少しずつでもいいので日々朝食を食べる習慣をつけましょう。
- 2019.10.15
- 子どもの早期教育は必要!?
脳には、様々な能力を学習・習得するのに適した時期[『臨界期』]があります。
例えば、言語の学習・習得の臨界期は8~9歳と言われており、この年齢後に母語を学習・習得するとなると、大変な努力を要します。
運動においても、『スキャモンの発育発達曲線(※TOPページ参照)』や『ゴールデンエイジ理論(※2019年8月更新参照)』など、運動の学習・習得に効果的・効率的な時期があります。
これらの時期を考慮せず、ただやみくもに早期教育によって特定のスポーツや特定の運動のみを行っていても、必ずしも将来プロスポーツ選手やオリンピック選手になれるとは限りません。
運動における子どもの早期教育が全ていけないという訳ではありませんが、子どもの頃には多様な運動あそびを体験し、多様な体の動かし方を学習・習得しておくことが、将来的に様々なスポーツや運動を選択できる可能性を広げることにつながります。また、何よりも子どもの興味・好奇心を大切にして様々な経験をさせることが重要なのです。
- 2019.09.17
- IQ!?EQ!?
みなさんは、『IQ』や『EQ』という言葉を聞いたことがありますか?
『IQ[Intelligence Quotient:知能指数]』は、人の学力や記憶力などを計る指標の一つとして広く使用されており、テレビのクイズ番組などでよく耳にしたことがある言葉だと思います。
以前は、この『IQ』が高い人ほど頭が良く社会で活躍・貢献できると考えられていましたが、現在は、『EQ』がとても重要であると考えられているのです。
『EQ [Emotional Intelligence Quotient:こころの知能指数] 』とは、コミュニケーション力や感情のコントロール力などを示す指標であり、後天的に高めることができる能力でもあります。
『運動あそび』は、友達や先生や親と一緒に行うことでコミュニケーション力や協調性や社会性が自然と身につき、成功した時の喜びや達成感を味わうことができると同時に、思うようにできなかった時の悔しさを味わうことができるなど、子どもの精神面に大きく影響するため、『EQ』を育む機会を与えてくれます。
『EQ』を高めてより豊かな人生を送るためにも、日々の生活に様々な『運動あそび』を取り入れてみませんか。
- 2019.08.16
- ゴールデンエイジ理論
みなさんは、『ゴールデンエイジ理論』という言葉を聞いたことがありますか?
ゴールデンエイジとは脳や神経が急速に成長する2~14歳の時期であり、動作を習得する上で最も効果的・効率的な時期です。
2~8歳の時期は『プレ・ゴールデンエイジ』と呼ばれ、体の使い方の基礎が養われる時期となります。
そのため、この時期に様々な運動あそびを経験することが大切です。
8~11歳の時期は『ゴールデンエイジ』と呼ばれ、たった一度の運動だけでその動作を習得することができる[“即座の習得”]など、運動技術を身につけるのに適した時期です。
ただし、プレ・ゴールデンエイジ期で基礎的な動きができるようになっていることが前提です。
11~14歳の時期は『ポスト・ゴールデンエイジ』と呼ばれ、骨や筋肉が急速に成長し、パワーやスピードの向上が図れる時期になります。
反復練習を行うことでゴールデンエイジ期に身につけた運動技術の質を高めながら、パワーやスピードといった体力面の向上が期待できます。
子どもの成長速度により個人差はありますが、これらの時期[タイミング]を理解して運動経験を積み重ねていくことがとても重要です。
- 2019.07.16
- 運動神経は遺伝する!?
みなさん、『自分は運動神経が良い(または運動が得意・好き)』と思いますか?
それとも、『自分は運動神経が悪い(または運動が苦手・嫌い)』と思いますか?
もしかしたら、後者の方の中には、
「自分の子どもにも自分の運動神経の悪さが遺伝してしまうだろう…」、
「自分の子どもはどうせスポーツ選手になんてなれっこないから…」
などと思い込んで決めつけてしまっていませんか?
しかし実際には、運動神経の良し悪しは遺伝では決まらないと考えられています。
なぜなら、運動神経に関わる組織・器官は2~12歳頃に急速に成長するからです(後天性)。
そして、運動神経の良し悪しは、この時期にどれだけ運動あそびをして体を動かして、運動神経を刺激したかに影響するのです。
『運動が得意・好き』な親の元で育つ子どもは、運動あそびをする機会に恵まれているため、自然と運動神経が発達し得意になる傾向にあります(『正のループ』)。
一方で、『運動が苦手・嫌い』な親の元で育つ子どもは、運動あそびをする機会自体が少ないために、運動神経が刺激されず苦手となってしまう傾向があると考えられるのです(『負のループ』)。
したがって、運動神経の良し悪しは、乳幼児期~学童期という『タイミング』や運動あそびをする『機会[環境]』がとても大切な要因となるのです。
- 2019.06.17
- 頭で考えるな!体で覚えろ・感じろ!
みなさん今まで経験してきたスポーツや体育の授業の中で、指導者に「頭で考えるな!体で覚えろ!」と言われたことはありませんか?
確かに、スポーツで高いパフォーマンスを発揮するためにはスピードやタイミングが重要なため、『頭』で考えてから『体』で動く感じでは間に合いません。
しかし、実際にパフォーマンスされる運動は『頭=脳』からの指令に従って実行されるのです。
最初はうまくいかない運動でも、意識しながら試行[思考]錯誤して何度も反復練習することで『頭=脳』が運動学習し、“できない”が“できる”ようになります(『頭=脳』の中で運動プログラムが形成される)。
すると、『頭=脳』からの運動指令に即座に正確に『体』が対応できるようになり、徐々に運動パフォーマンスが洗練化・自動化され、無意識に運動ができる感じになってきます。
この『頭=脳』で考えなくても意識せずに『体』が自然に動き反応する一連の学習の流れは、「体で覚えた」という感じかもしれませんが、実際には「『頭=脳』で考えた」学習の結果です。
『頭=脳』と『体』は別々のものではなく、お互いにつながり合っているのです。
- 2019.04.01
- 自分の体を把握する感覚能力
“感覚”という言葉を聞くと、多くの場合いわゆる五感
『視覚』…「目で見る」
『聴覚』…「耳で聴く」
『嗅覚』…「鼻で嗅ぐ」
『味覚』…「舌で味わう」
『触覚』…「肌で触れる」を思い浮かべやすいですね。
この五感には《体の外部の情報を感覚する役割》を担う特徴があります。
一方で、《体の内部の情報を感覚する役割》を担っている例が、『前庭覚』や『固有受容覚』と呼ばれる“感覚”です。
『前庭覚』は耳の奥にある三半規管という部位で、「体の傾き」や「回転」などを感じてバランスを保持しています。
『固有受容覚』は筋や腱や関節の中に存在し、「体の運動や位置[姿勢]や力の入れ具合」を感じて自分の体の状態を把握しています。
この『前庭覚』や『固有受容覚』が刺激されないと、自分の体をうまく認識できず他者や外部の物とぶつかったり、平衡感覚が調整できなかったりします。
この『前庭覚』や『固有受容覚』を刺激するポイントは、重力に抗う[すなわち体が地面に接地していない(空中や浮いている)]環境状況を 経験する機会が効果的です。
例えば、ボルダリング・クライミングや平均台、トランポリンや鉄棒、ブランコやボールプールなどは最適なツールとなります。